外部からの刺激をストレッサーといい、このストレッサーに適応しようとする反応やプロセスをストレスとしています。（カナダの生理学者ハンス・セリエ博士）ストレスって何だか嫌なイメージを与えますが、実は悪者だけではないんです。ストレッサーとストレスの具体的な説明は、以下をご覧ください。
＜ストレスがない状態＞ ＜ストレスがかかった状態＞
ストレスなんてこの世の中からなくなればいいのに！なんて思ったことはありませんか？残念ながら、私たちはストレスと無関係に暮らせませんが、悪いことばかりではありません。ストレスは、良いとされる天使のストレスと悪いとされる悪魔のストレス、大きく２つの種類に分けることができます。
＜天使のストレッサーの種類＞ ＜悪魔のストレッサーの種類＞
目標・夢・趣味・娯楽・スポーツ等 いじめ・離婚・リストラ・ハラスメント・過労など
つまり、勇気や感動の刺激を与えてくれる！つまり、悩み、苦しみ、落ち込む原因！あなたはどっちのタイプ？
Ａ．狭い空間は何となく落ち着き、安心するほうだ。
Ｂ．狭い空間は圧迫された気分で、早く開放されたいほうだ。
ここでお伝えしたいことは、同じストレッサーであっても、人によって天使なのか悪魔なのか異なるということです。さて、ストレスはなくすことは出来ないばかりでなく、天使のストレスのように、私たちに幸せを与えてくるものでもあります。排除したいのは、悪魔のストレスです。
ストレス発散・リラックス・癒し、これこそが悪魔のストレス撃退法のひとつです。こうした言葉を耳にすることが多くなった理由のひとつに、日本の情勢が挙げられます。不況の風が吹き荒れ、年功序列社会から成果主義社会へと変わり果て、教育現場においても同様、変化の時代です。以上で述べてきたように、成果主義の方が合っている方には良いストレスになっているでしょう。
しかし、悪いストレスの方が圧倒的に充満したと思われる要因に、自死数やこころの病の増加が物語っています。こうした社会に順応しなければいけない！という意気込みでストレス発散を行うというよりも、“なんとなく”の感覚で、ストレス発散や癒しを求め、そして解消していませんか？
これは、自然と悪魔のストレスを退治しなければ！とあなた自身が戦っているということです。悪魔のストレスは、どうやら心地よさやスッキリ感が嫌いなようです。しかし、“なんとなく”の感覚で退治できない悪魔のストレスはどんな必殺技をもっているのか見てみましょう。
さて、悪魔のストレスの必殺技（過剰なストレス）とは、こころのバランスを崩して、人間のこころに病を引き起こします。こころのカタチは、人それぞれなので、こころの病も同様にたくさんの種類がありますが、ここでは主な３つのこころの病を取り上げます。
気分が落ち込み、生きるエネルギーが低下し、身体とこころの両面にあらゆる不調を訴える病気です。（うつ病にも多くの種類があります。）うつ病は、単なる甘えやわがままという誤解をうみやすく、また、本人が気付かない場合も多いので、適切な知識が必要です。うつ病は治る病気です。
しかし、「こころのカゼ」と言われているように、風邪をひいた時と同様に、早期処置と休養が重要です。一番よくないのは、放っておくことです。うつは自殺企図を伴う怖い病気です。
強い不安やを覚えたり、不安発作がおこる病気の総称です。以下は例であり、神経症は多くの症状で分類されています。
<パニック症候群>
何の前触れもなく、動悸や呼吸困難を伴う強い不安発作をおこす病気です。一度引き起こすと、また起こる不安で家を出られなくなったり、このままどうかしてしまうのではないか、と恐怖心に駆られてしまうのが特徴です。
<適応障害>
天災や事件ではなく、結婚、離婚、転職、出産のように本人を取り巻く環境にうまく適応できず、強い不安やうつ状態などを引き起こす病気。
こころに原因があるのに、実際にからだの疾患が違う場所にでる病気です。心身症との関係性に配慮すべき必要がある疾患は本当に多岐に亘ります。 分かりやすい例は、十二指腸潰瘍や過敏性腸症候群や円形脱毛症などであり、アトピー性皮膚炎や糖尿病もこの仲間です。
このように、こころに原因があるなんて思いもよらない病気はたくさんあるのも現実ですし、もっと怖いのは、本人が一生懸命治そうとして、潰瘍の薬を飲み続けても治らない・・・つまり、もう一つの原因を知らずに過ごすことです。
